「風流踊」が、ユネスコの無形文化遺産登録に決定

秋田県「毛馬内の盆踊」や「西馬内の盆踊」などを含む24都道府県41件の民俗芸能「風流踊」が、ユネスコの無形文化遺産登録に決定になりました。
鹿角市のユネスコ文化遺産は、大日堂舞楽、花輪祭の屋台行事に次いで3件、これに世界遺産登録になった大湯環状列石と合わせると、なんと鹿角市は4つの世界文化遺産をもつことになります。
毛馬内の盆踊は、江戸中期より伝承され、その一つに太鼓と笛の囃子で踊る「大の坂踊り」があります。
江戸時代の紀行家菅江真澄は、著書「十和田湖(とわだのうみ)」にこの大の坂の歌を歌いながらムラサキの根を搗く女の人たちを記しています。臼はむらさき臼とあります。
臼を搗く女の歌 
ここは台の坂〈ヲヤイテヤ〉七曲がり、
中の〈ナア〉曲がり目で〈ノヲ、ヲヲヲヲ〉
日を〈ヤイ〉くらす〈ヲヤサキサイノ、ソレヤヤイ〉
俤(おもかげ)の来ては枕をしととうつ
うつとおもふたりや夢じゃもの
意味は、【ここは高台の坂のつづらおり、
中の曲がり角で 日を暮らす。
恋しい人の面影がまぶたに浮かんできては
涙で枕をびっしょりぬらす ぬらすと思ったら夢だもの】
真澄は、毛馬内の産物である紫根染・茜染を染める時に盆踊りの節を思い出しながらむらさき臼で搗いている女の人たちを見ていたのでしょうね。
人間国宝となった花輪の栗山文次郎さんの所でも、唄を歌いながら根っこを搗いていたのかなと思ったりしています。
残念なことに、今、毛馬内の盆踊りでは大の坂の歌は歌われなくなってしまいました。