かづの茜は昔から鹿角乙女たちの憧れの色
かづの茜は、まさに夕映えの色。
かつて、栗山家を取材した記者は、朱色と黄色の間をゆれ動くうたかたの色と記しています。
昔から自生のアカネが豊富だった鹿角では、福士川の豊かな水の流れを生かし、美しい染め物をはぐくんできました。
かづの茜は昔から鹿角乙女たちの憧れの色だったそうです。
栗山文一郎さん作の茜染の着物「上津野」は、星由里子さんがモデルで婦人雑誌に掲載されています。
何とも言われぬ上品な味わい深い色合いです。
サワフタギで下染をした綸子の振り袖用布を自生の日本茜で染めました。
搗いては染めを繰り返し、鮮やかな染め上がりに緊張が解けた瞬間です♬
本染を終えた布は、色を安定させるためにこれから長い時間桐のタンスで寝かせます。
眠りを解き放たれる時に、どんな出会いが待っているのでしょう。