浸しては干しの作業を120回も繰り返す汗だくの作業

庭のサワフタギの白い花が満開です。

かつて鹿角では、紫根染・茜染の下染にこのサワフタギの木を使っていました。
真夏の炎天下で、サワフタギの灰汁汁に浸しては干し、浸しては干しの作業を120回も繰り返す汗だくの作業です。

平成2年夏、日本に唯一深遠なる古代技法を伝え人間国宝を生んだ栗山家の工房には、サワフタギの柴が積まれていました。
パークホテルを臨む干し場となる庭には、クローバーの葉が絨毯のように敷き詰められ、垣根沿いにはサワフタギの木が青々と茂っていました。

その栗山家のサワフタギの木はやがて伐採され、工房も今ではもう見ることができなくなってしまいました。

栗山家の伐採されたサワフタギの枝葉は、私のところで灰汁汁にし古代技法で染めさせて頂きました。でも太い幹は記念に今も大事に保管しています。

文一郎さんの奥様ケフさんが、平成28年の作品展にお越しくださった時に
「120回もサワフタギで下染されたんですね。やはりこの色がいいわね~。」
「この立枠絞りの風合いがとても素敵よ。」
と、しみじみと褒めてくださった言葉が、今も耳から離れません。
サワフタギの花が咲き出すと、いつも思い出します。

今では、このサワフタギはなかなか入手が難しく、下染には伊豆大島の椿灰を使うことが多くなりました。
今年は、少しでもサワフタギで下染ができたらいいな~と願っています。