染め上がった鹿角松皮菱絞りの紫根染

NHK朝ドラ「らんまん」の主人公牧野富太郎が花輪町の染物屋で、娘さんたちのために染めてもらったという羽織は、どのような絞り模様だったのでしょう。
当時、染物屋をしていた小田切家には、栗山家とは違ういろいろな型枠があります。
その中の鹿角松皮菱絞りを古代技法で染めてみました。
なんともクラシカルな感じに染め上がりました(☆。☆)
牧野博士は、「植物知識」に、
「昔は紫の色はみな紫根で染めた。これがすなわち、いわゆる紫根染である。今はアニリン染料に圧倒せられて、紫根染を見ることはきわめてまれとなっている。
私は先年、秋田県の花輪町の染物屋に頼んで、絹地にこの紫根染をしてもらったが、なかなかゆかしい地色ができ、これを娘の羽織に仕立てた。今それをアニリン染料の紫に比ぶれば、地色が派手でないから、玄人が見れば凝っているが、素人との前では損をするわけだ。」と記しています。
染め上がった鹿角松皮菱絞りの紫根染を手に、これは、凝っていると言えるかな~とつぶやきながら、ひとり見つめています(^▽^)