人間国宝となった栗山文次郎さんの紫根染

人間国宝となった栗山文次郎さんの紫根染の中に、とても珍しい絞り模様があります。
伝統の大桝や小枡とも違い、現代的な研ぎ澄まされたデザインに見えたり可愛らしくも感じたり感動的な紫根染です。

深い紫色にも思わず魅入ってしまいます。
90年経っても色あせないこの崇高優美な紫根染こそ、鹿角が誇る郷土の宝です。

120回の下染めに使うサワフタギの灰汁や日本ムラサキによる10回の本染めのことなど知りたくて、いろいろと試していた頃が懐かしいです。
栗山家の染めものに憧れ、興味をもち楽しんでいた頃の8年前の画像です。

多くの本に、紫根染は温度を70℃以上に上げると紫色にならないでグレーになると書かれています。しかし、栗山家の紫根染は温度を100℃まで上げても決して滅紫にならないのです。その秘密を探っていた頃を思い出します。