人間国宝 栗山文次郎さんが考案された花輪絞り

人間国宝となった栗山文次郎さんが考案された花輪絞りは、絞り手によって違いがあって味わい深いものがあります。
濃い紫の色調の中に、白い絞りが染め残された模様が実に優雅で見る人を惹きつけます。
栗山家では、サワフタギの灰汁汁で120回以上の下染を施し、時が経つごとに色鮮やかさを増す古代鹿角紫根染を生み出しました。文次郎さんと文一郎さん親子の紫根染は、まさに神の座す古式の布です。

春に小さな白い花をつけていたサワフタギは、葉を茂らせ背も高くなってきました。秋にはブルーの実がついて風情があり、楽しみの多いサワフタギです。

今年度は助成を活用し、サワフタギの代わりに大島産の椿灰も使い下染作業を進めています。5月から始めた下染はようやく76回に達しましたが、今日も、梅雨空を仰いでは青空を待ちこがれています。