北秋田市のみちのく子供風土記館に、鹿角が生んだ人間国宝 栗山文次郎さんの「花輪絞り」があることを初めて知りました

北秋田市のみちのく子供風土記館に、鹿角が生んだ人間国宝 栗山文次郎さんの「花輪絞り」があることを初めて知りました。
みちのく子供風土記館は、北秋田市出身の作家 渡辺喜恵子さんの直木賞受賞記念の寄付金で建築されたものです。
そして、その受賞記念に栗山文次郎さんから贈られたのが、鹿角紫根染・茜染の花輪絞りというのです。
私は、能代北高校一年の時に、渡辺喜恵子さんの受賞記念特別講演を拝聴したことを今でも懐かしく思い出します。
直木賞受賞作、小説「馬淵川」には、「南部むらさき」の章に鹿角紫根染が取り上げられています。
花輪へ出かける元藩士が、身内の女性に土産として「紫根染がいいか、茜染がいいか」と尋ねるシーンがあったり、元藩士が買った紫根染が「匂うような紫根染の絞り」とあったり、鹿角の紫根染が格調高い文章で描かれています。
今回の金勇の展示会では、栗山家の花輪絞りを再現した鹿角紫根染・茜染のつつみ袱紗も観て頂くことができました。
鹿角の野山に自生していた紫根をふんだんに使って染めた栗山文次郎さんの花輪絞りは、実に味わい深く、まさに匂うがごとく・・・。
息子の文一郎さんの時代は、紫根が思うように手にはいらなくなって、奥様のケフさんが、私に「若い色でしょ」と笑って話しておられました。
現在、紫根は栽培ものしか手に入りません。それでも、今出来うる環境の中で染めたつつみ袱紗です。
近づきたくても近づくことが難しい栗山家の染めですが、
「鮮やかできれいですね」「みずみずしいですね」の言葉を頂いて、思わず胸が熱くなってしまいました。
「おじいちゃんの文次郎さん、お父さんの文一郎さん、そしてお孫さんですね」
そんな言葉まで飛び出し、会場は笑い声が広がり温かな雰囲気に包まれました♬♬
母校の大先輩である渡辺喜恵子さんが描いた鹿角紫根染・茜染に、今、こうして関わっていることに何かの縁を感じています。
たくさんの方々に感謝を!